なおえもん
坂井泉水さんの透き通った歌声と、力強いメッセージが合わさったこの曲は、人生の困難や苦難に立ち向かって前に進む力強さや希望を歌っており、多くの人々に勇気と元気を与えることができる楽曲です。
本記事ではこの「負けないで」が出来た経緯や、込められた想い、歌詞の意味、制作秘話などを解説します。
ちなみにZARDの坂井泉水さんが所属していた音楽プロダクションであるビーイングにおいては、一般的に作曲を先に行い、その後に歌詞を当てはめていくという制作スタイルが取られていました。
つまり作曲家が曲のメロディやアレンジを作り上げ、その後に歌詞を書いていくのが通例でした。
それを理解した上で読み進めていきましょう。
もくじ
「負けないで」が生まれた経緯と秘話
「負けないで」は1993年1月27日にZARD(坂井泉水・当時25歳)が発表した楽曲であり、作曲は織田哲郎氏が手掛けました。この曲は元々、誰かの為に作っていたというわけでもなく、織田氏が一人でぽろぽろ作っている時に出来たメロディです。
織田氏はある日、関係者から「この曲をZARDに提供してくれないか?」と尋ねられました。
織田氏は「いいですよ」と快諾し、この曲をZARDの坂井泉水さんに提供する事が決定しました。
ちなみに「負けないで」の発売は1993年であり、坂井泉水さんのデビューは1991年です。
つまりこの時点でデビューから2年が経過しており、織田哲郎氏から初めて提供された楽曲という訳ではありませんでした。
話を戻しましょう。
織田氏は「負けないで」を制作していた当時の様子を振り返り
「あの時、よくぞ私に楽曲の提供を申し出てくれたなぁと思います」
「今となっては、あのサビのメロディは”負けない”でという言葉のために生まれてきたメロディだったと思う」
「坂井さんはよくぞ、この部分に”負けないで”という詞を、当てはめて歌ってくれたなぁと思います」
と感慨深くコメントを残しています。
「負けないで」の意味と歌詞に隠されたメッセージ
「負けないで」に込められた坂井泉水の想い

坂井泉水が書いた「負けないで」の歌詞
この曲は一般的に「夢を追いかける恋人の背中を押す応援歌」として受け止められています。
プロデューサーの長戸氏によると”負けないで”は「恋よりも夢を選んで遠くへ行ってしまう相手を応援する、遠距離恋愛をテーマにした作品だった」と明かしています。
しかしディレクターの寺尾氏によると、別の意味合いもあったと言います。
「負けないで」が発売された時期は、1993年1月27日であり、受験シーズンでした。
多くの受験生や将来の社会人たちが厳しい競争にさらされ、自分の夢や目標に向かって奮闘していました。
坂井泉水さんはこのような若者たちを応援する歌を作りたいと考えました。
「負けないで」というサビの歌詞は「頑張って」という言葉でも代用できます。
しかし、坂井泉水さんはあえて「負けないで」という歌詞にしたことで、相手の夢や目標に対して敬意を払い、応援している姿勢を示しました。
この歌詞(フレーズ)によって、励ましと応援の意味合いがより強調されたのです。
また「負けないで」という歌詞は、人生において挫折や困難に直面した時にも、自分自身に向かって唱えることができる意味も持っています。
時にはくじけることもあるかもしれないが、その時は自分自身に対して「負けないでいこう」という意識を持つことができるのです。
このように「負けないで」は単なる恋愛ソング以上の意味を持っていました。
坂井泉水さんは歌を通じて多くの人に勇気や応援のメッセージを送り、彼らの夢や希望、未来に向かって頑張る力を与えたのです。
坂井泉水は何度も歌詞を書き直した
坂井泉水さんは”負けないで”の制作について「当時、何作かずっと恋愛の詞ばかり書いていたので、今度は違うタイプの詞も書きたいなと思っていた矢先でした。
このテンポ感のある曲を聞いたときに”応援歌っぽいな”ってすぐにイメージが湧いてきて一気に書き上げました。
いつものシングルに比べてすごく自分でも楽しみながら書けた一曲です」
と語っています。
しかし実際には彼女は「負けないで」の制作にあたり、レコーディング中にも関わらず、何度も歌詞を書き直していました。
例えば
「ふとした瞬間に目と目が合ったような」を「ふとした瞬間に視線がぶつかる」に

坂井泉水が書き直した歌詞

坂井泉水が修正した歌詞
彼女は歌詞に使用する言葉を厳選し「それを歌った自分のフレーズがどう聞こえるか」一つ一つ入念にチェックをする人でした。
そのような想いが込もった「負けないで」は、これからも多くの人々に勇気を与え、支えになり続けることでしょう。
その他、ZARD「負けないで」に関する疑問
「負けないで」は他のアーティストにカバーされたことはありますか?
多くのアーティストによって「負けないで」がカバーされています。例えば元モーニング娘の後藤真希さんが挙げられます。
彼らのカバーバージョンも多くの人々に支持され、それぞれのアーティストの個性を加えて再解釈されています。
「負けないで」はどのような社会的な反響を呼びましたか?
「負けないで」はリリース当時から大きな社会的な反響を呼びました。この曲はバブル崩壊後に発売された曲であり、学生のみならず社会人など多くの人々が自分自身の困難に立ち向かう勇気や希望を見出すことができました。特に若い世代の間で支持を集め、この曲を励みにして日々の生活に前向きな姿勢を持つようになりました。
「負けないで」は今でも人々に影響を与えていますか?
はい、多くの人々にとって「負けないで」は今でも励ましや勇気を与える存在です。この曲は困難や挫折に直面する人々に対して、立ち止まらずに前に進んでいく力を与えるメッセージを持っています。そのため様々な状況や時代においても、人々が希望を持ち続けることや自分を信じて頑張ることの重要性を思い出させてくれます。特に困難な時期にはこの曲が支えとなり、人々の心を勇気づける存在となっています。
「負けないで」はZARDの代表曲ですか?
はい、ZARDの代表曲の一つとされています。「負けないで」は彼女のキャリアで最も知名度の高い楽曲の一つであり、そのメッセージ性と力強い歌唱が多くの人々に愛されています。
「負けないで」はどのようなアルバムに収録されていますか?
「負けないで」はZARDのアルバム『揺れる想い』に収録されています。このアルバムは1993年7月10日に発売され、多くのヒット曲が含まれています。

ZARD坂井泉水の生い立ちとデビューまでの秘話
本記事では90年代の音楽シーンを彩ったZARD・坂井泉水さんの生い立ちやデビュー、ヒット曲を作り出すまでの道のりについて紹介したいと思います。 坂井泉水(さかい いずみ)さんは音楽グループ「ZARD」のボーカリストとして …
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