BPDの患者は、自分の感情や欲求を満たすために、周囲の人に対してさまざまなマインドコントロールの手法を使います。
これらの手法は、相手の自尊心や自己同一性を傷つけたり、相手の感情や行動を操作したり、相手に依存や罪悪感を抱かせたりすることで、BPDの患者に都合のいいように相手を支配しようとするものです。
本記事では、BPDの患者が仕掛けるマインドコントロールの罠について具体的に紹介し、その被害や対処法について考えていきます。
もくじ
BPDとは何か？
境界性人格障害（BPD）は感情のコントロールができず、自分自身や他人に対するイメージが不安定であり、自己同一性や価値観が曖昧です。また対人関係が極端で不安定であり、愛情や依存と拒絶や怒りが入り混じっています。
BPDの患者は見捨てられることや孤立することを強く恐れており、その恐怖から衝動的な行動や自傷行為や自殺企図などを起こすことがあります。
BPDの特徴と症状
BPDの患者は、以下のような特徴や症状を示すことがあります- 感情が極端で不安定であり、喜怒哀楽が激しく変化する
- 自分自身や他人に対するイメージが不安定であり、自己同一性や価値観が曖昧である
- 対人関係が極端で不安定であり、愛情や依存と拒絶や怒りが入り混じっている
- 見捨てられることや孤立することを強く恐れており、その恐怖から過剰に反応する
- 衝動的な行動や自傷行為や自殺企図などを起こすことがある
- 空虚感や無価値感を抱えており、自己否定や自己軽視をすることがある
- 激しい怒りや不安を感じたり、制御できない感情の爆発を起こしたりすることがある
- 精神病的な症状（解離、非現実感、離人感、妄想など）を一時的に経験することがある
BPDの原因と診断
BPDの原因は遺伝的要因や脳機能の異常、幼少期の虐待や育児環境などが関係していると考えられています。BPDの診断は精神科医や臨床心理士などの専門家によって行われます。
診断基準は『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版（DSM-5）によって定められており、以下の9つの項目のうち5つ以上に当てはまる場合にBPDと診断されます。
- 感情や関係性に関して極端な努力をしても見捨てられないようにしようとする
- 対人関係が極端で不安定であり、理想化と軽視の間で揺れ動く
- 自己像や自己同一性が不安定である
- 衝動的で自分自身に危害を及ぼす可能性のある行動（性的放縦、買い物依存、過食、薬物乱用、無謀運転など）を繰り返す
- 自殺企図や自傷行為を繰り返すか、それらに関する脅迫やジェスチャーをする
- 感情が不安定であり、特に怒りや不安や抑うつなどの負の感情が頻繁に変化する
- 慢性的な空虚感を抱えている
- 適切ではない強い怒りを感じたり、怒りを制御できなかったりする
- ストレスによって一時的に現実感覚が失われたり、妄想や幻覚などの精神病的な症状が現れたりする
BPDの患者が仕掛けるマインドコントロールの手法
BPDの患者は、自分の感情や欲求を満たすために、周囲の人に対してさまざまなマインドコントロールの手法を使います。これらの手法は、相手の自尊心や自己同一性を傷つけたり、相手の感情や行動を操作したり、相手に依存や罪悪感を抱かせたりすることで、BPDの患者に都合のいいように相手を支配しようとするものです。
本記事では、BPDの患者が仕掛けるマインドコントロールの罠について具体的に紹介し、その被害や対処法について考えていきます。
愛情表現と見捨てられ恐怖
BPDの患者は、見捨てられることや孤立することを強く恐れており、その恐怖から相手に対して過剰な愛情表現をしたり、相手に依存したりします。これは相手に自分を必要とさせることで、自分の存在価値を確かめたり、相手を自分から離さないようにしようとしているわけです。
BPDの患者は相手に対して「あなたは私の全てだ」「あなたなしでは生きていけない」「あなたは私を幸せにしてくれる唯一の人だ」などと言って、相手に特別な存在であると感じさせます。
しかし、これは本当の愛情ではなく、自分の感情や欲求を満たすための手段です。
BPDの患者は相手が自分以外の人や物に関心を持ったり、自分から離れようとしたりすると、見捨てられることへの恐怖からパニックに陥ります。
その時には「あなたは私を裏切った」「あなたは私を嫌っている」「あなたは私を捨てるつもりだ」などと言って、相手に責め立てたり、脅迫したりします。
これは相手に罪悪感や不安を抱かせることで、自分から離れないようにしようとしているのです。
被害者意識と責任転嫁
BPDの患者は自分の感情や行動に対して責任を取ろうとせず、自分が被害者であると思い込んでいます。患者は自分が何か問題やトラブルを起こしたり、他人に迷惑をかけたりしても、「私は悪くない」「私は助けてほしい」「私は理解されない」などと言って、自分の非を認めません。
また自分が感じる負の感情や苦痛を他人のせいにしたり「あなたは私を傷つけた」「あなたは私を不幸にした」「あなたは私を理解しない」などと言って、相手に責任転嫁します。
これは自分の感情や行動に対して責任を取ることができないことや、自己否定や自己軽視をすることから逃れようとしているのです。
分裂と理想化・軽視
BPDの患者は自分自身や他人に対するイメージが不安定であり、白か黒かの極端な思考パターン（分裂）を持っています。患者は相手が自分に好意的であれば「あなたは最高だ」「あなたは完璧だ」「あなたは私にとって特別だ」などと言って、相手を理想化します。
しかし相手が自分に否定的であれば「あなたは最低だ」「あなたは酷い」「あなたは私にとって何もない」などと言って、相手を軽視します。
これは自分の感情や欲求に応えてくれるかどうかで、相手の価値を判断しているのです。
BPDの患者は、相手の良い面と悪い面を同時に認めることができず、相手の一つの行動や言動で、相手のイメージを全く変えてしまいます。これは相手に対する不安定な感情や関係性を表しています。
BPDの患者から受けるマインドコントロールの被害
BPDの患者から受けるマインドコントロールは、被害者に深刻な被害を与えることがあります。精神的苦痛と自己否定
BPDの患者から受けるマインドコントロールは、被害者に精神的苦痛を与えます。BPDの患者は、被害者に対して過剰な愛情表現を求めたり、責め立てや脅迫などを繰り返し行うことで、相手に混乱や不安や恐怖や罪悪感などを抱かせます。
またBPDの患者は、被害者に対して理想化や軽視(こき下ろし)などを繰り返し行うことで、被害者の自尊心や自己同一性を傷つけます。
BPDの患者から受けるマインドコントロールによって、被害者は自分が愛されているのか嫌われているのか分からなくなり、自分が何者なのか分からなくなります。
BPDの患者から受けるマインドコントロールによって、被害者は自分を否定したり、自分を責めたりするようになります。
人間関係の破壊と孤立
BPD患者から受けるマインドコントロールは、被害者の人間関係を破壊します。BPDは自分以外の人や物に関心を持つことを許さず、相手に対して過剰な依存や束縛を求めます。
患者は相手が自分以外の人と交流したり、自分以外の物に興味を持ったりすると、「あなたは私を裏切っている」「あなたは私を見捨てている」「あなたは私よりも他の人や物が大事だ」などと言って、相手に責め立てたり、脅迫したりします。
またBPD患者は自分が嫌いな人や物に対して攻撃的になったり「あなたがその人や物と関わるならば別れる」と言って、相手に選択を迫ったりします。
BPD患者から受けるマインドコントロールによって、被害者は自分以外の人や物から離れざるを得なくなります。
あるいは被害者の友人や家族や趣味や仕事などを失うことがあります。
被害者は孤立し、自分にとって大切なものや人を見失うことがあります。
自傷行為や自殺企図
BPD患者は自分が感じる苦痛や空虚感を和らげるために、自傷行為や自殺企図をすることがあります。またBPD患者は自傷行為や自殺企図をすることで被害者に対して「あなたは私を助けてくれない」「あなたは私を愛してくれない」「あなたは私を見捨てるつもりだ」などと言って、被害者に罪悪感や不安を抱かせます。
これは患者が被害者から注目してもらう事で被害者を自分から離さないようにしようとしている可能性があります。
このようなマインドコントロールを患者から受ける事によって、被害者は判断基準を誤り自分の命も危険にさらすことがあります。
BPD患者から受けるマインドコントロールによって、被害者は自分の生きる意味や価値を見失い、自傷行為や自殺企図をすることがあります。
BPDの患者から受けるマインドコントロールに対処する方法
BPDの患者から受けるマインドコントロールは、相手に深刻な被害を与えることがありますが、それに対処する方法はあります。マインドコントロールのサインに気づく
BPDの患者から受けるマインドコントロールに対処するためには、まずマインドコントロールのサインに気づくことが重要です。BPDの患者から受けるマインドコントロールのサインには、以下のようなものがあります 。
- 過剰な愛情表現や責め立てや脅迫などを繰り返し行う
- 自分以外の人や物に関心を持つことを許さず、過剰な依存や束縛をする
- 被害者に対して理想化や軽視などを繰り返し行う
- 自分の感情や行動に対して責任を取らず、被害者意識や責任転嫁をする
- 患者が自傷行為や自殺企図をするか、それらに関する脅迫やジェスチャーをする
境界を設定し、自分を守る
BPDの患者から受けるマインドコントロールに対処するためには、次に境界を設定し、自分を守ることが重要です。境界とは、自分と他人の間にある心理的な線引きであり、自分の感情や行動や価値観などを他人から守るものです。
BPDの患者から受けるマインドコントロールによって、被害者は自分の境界を自ら破ったり、無視したりします。
そのため自分の境界を明確にし、患者に伝えることが必要です。
自分の境界を設定し、相手に伝える方法には、以下のようなものがあります 。
- 自分の感情や行動や価値観などを自分で決める権利があると主張する
- BPD患者の感情や行動や価値観などを尊重するが、それらに同意しないこともあると伝える
- BPD患者の過剰な責め立てや脅迫などに対して「それは私にとって不快だ」「それは私にとって不適切だ」「それは私にとって無理だ」と言って断る
- BPD患者の過剰な依存や束縛に対して「私はあなた以外の人や物にも関心がある」「私はあなた以外の人や物とも交流したい」「私はあなた以外の人や物も大切だ」と言って拒む
- BPD患者の理想化や軽視に対して「私はあなたが思うような人ではない」「私はあなたが言うような人ではない」「私はあなたが望むような人ではない」と言って否定する
- BPD患者の被害者意識や責任転嫁に対して「あなたは自分の感情や行動に対して責任を取らなければならない」「あなたは自分が起こした問題やトラブルを解決しなければならない」「あなたは自分が感じる苦痛や空虚感を他人のせいにしないでください」と言って指摘する
- BPD患者の自傷行為や自殺企図に対して「あなたは自分の命を大切にしなければならない」「あなたは自分の命を危険にさらすことで私を傷つけている」「あなたは自分の命を危険にさらすことで私を支配しようとしている」と言って警告する
必要ならば距離を置くか別れる
BPDの患者から受けるマインドコントロールに対処するためには必要ならば距離を置くことが重要です。BPDの患者から受けるマインドコントロールは、相手に深刻な被害を与えることがありますが、それを改善することは容易ではありません。
BPDの患者は、自分の感情や行動に対して責任を取ろうとせず、自分が変わる必要がないと思い込んでいます。
またBPDの患者は、自分の感情や欲求を満たすために、相手に対してマインドコントロールを続けることがあります。
自分の境界を設定しBPD患者に伝えても、BPD患者はそれを尊重しないかもしれません。
自分の感情や行動や価値観などを自分で決める権利があることを主張しても、BPDはそれを理解できないかもしれないし、認めないかもしれません。
BPD患者の過剰な責め立てや脅迫などに対して断っても、患者はそれを受け入れないかもしれません。
過剰な依存や束縛に対して拒んでも、それを許さないかもしれません。
理想化や軽視に対して否定しても、BPD患者はそれを変えないかもしれません。
被害者意識や責任転嫁に対して指摘しても、BPDはそれを聞かないかもしれません。
自傷行為や自殺企図に対して警告しても、相手はそれを止めないかもしれません。
このように、BPDの患者から受けるマインドコントロールに対処することは難しいことがあります。
その場合、自分の健康や幸福や安全を守るために、必要ならば距離を置くことが必要です。
距離を置くことは簡単ではありませんが、自分にとって最善の選択になるかもしれません。
距離を置く方法には、以下のようなものがあります 。
- BPD患者に自分の気持ちや理由を相手に伝える
- BPD患者からの連絡や接触を断つ
- BPD患者からの愛情表現や責め立てや脅迫などに応じない
- BPD患者からの依存や束縛に屈しない
- BPD患者からの理想化や軽視などに影響されない
- BPD患者からの被害者意識や責任転嫁などに同情しない
- BPD患者からの自傷行為や自殺企図などに責任を感じない
まとめ
本記事では境界性人格障害（BPD）の患者が仕掛けるマインドコントロールの罠について紹介しました。BPDの患者は自分の感情や欲求を満たすために、相手に対して過剰な責め立てや脅迫などを繰り返し行います。
またBPD患者は、自分自身や他人に対するイメージが不安定であり、被害者に対して理想化や軽視などを繰り返し行います。
さらに患者は自分の感情や行動に対して責任を取らず、自分が被害者であると思い込み、相手に対して被害者意識や責任転嫁などをします。
そして患者は、自分が感じる苦痛や空虚感を和らげるために、自傷行為や自殺企図などをします。
これらのマインドコントロールの手法は、被害者に深刻な被害を与えることがあります。
そのためBPDから受けるマインドコントロールに対処することは重要です。
BPDの患者から受けるマインドコントロールに対処する方法は、マインドコントロールのサインに気づくこと、境界を設定し自分を守ること、必要ならば距離を置くことです。
これらの方法で自分の健康や幸福や安全を守ることができます。
BPDの患者から受けるマインドコントロールは、複雑厄介で恐ろしいものです。
しかしそれに気づき、対処することで、自分の人生を狂わせることを防ぐことができるかもしれません。
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