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世田谷自然左翼とは?生活左翼とは?「違い」と「意味」を解説

経済評論家の上念司氏が提唱し、ネットスラングとしても一部で使われる「世田谷自然左翼(せたがやしぜんさよく)」という言葉があります。

これは、現代社会における特定の層を揶揄的に表現した造語ですが、その背景にはどのような意味や社会現象が隠されているのでしょうか。

この記事ではその定義、語源、そして具体例を通じて「世田谷自然左翼」の本質に迫ります。

「世田谷自然左翼」の定義と語源

「世田谷自然左翼」とは、主に日本において、経済的に恵まれた環境にあり、高級住宅街(その象徴として「世田谷」が用いられる)に住むような高所得者層でありながら、社会主義・共産主義的な理想を語ったり、格差是正や労働者の権利、環境保護などを声高に主張したりする人々を指す言葉です。

この言葉のポイントは、彼らの恵まれた生活様式と、しばしば資本主義や現状の社会構造を批判する左派的な主張との間に見られる「矛盾」にあります。

この造語の直接的なヒントとなったのは、韓国で使われる「江南左派(カンナムサハ)」という言葉です。

ソウルの高級住宅街・江南(カンナム)に住む富裕層でありながら、左派的な政治思想を持つ人々を指します。

上念氏は、この「江南」を日本の高級住宅街のイメージを持つ「世田谷」に置き換えました。

さらに「自然」という言葉が加えられたのは、彼らが環境問題への関心が高い傾向にある一方で、その生活(例えば広大な邸宅でのエネルギー消費など)が環境負荷の高いものである、という矛盾を指摘するためです。

世界中に存在する「矛盾するエリート左派」

このような、恵まれた生活を送りながら左派的な主張をする層は、日本や韓国に限らず、世界各国で見られる現象です。
  • シャンパン社会主義者(イギリス):贅沢な生活と社会主義的主張の矛盾。
  • リムジンリベラル(アメリカ):高級車に乗りながらリベラルな主張をする層。
  • キャビア左翼(フランス):高級食材を嗜みながら左派思想を持つ層。
  • シャルドネ社会主義者(豪・NZ)、スモークサーモン社会主義者(アイルランド)、トスカーナ分派(ドイツ)など、各国で同様の揶揄表現が存在します。
上念氏が動画内で「ビバリーヒルズ青春左翼」という言葉も挙げていたように、この種の矛盾は普遍的な社会風刺の対象となっているようです。

なぜ揶揄されるのか?具体例に見る矛盾

「世田谷自然左翼」が揶揄される最大の理由は、その言行不一致にあります。

資本主義社会の中で成功し、その恩恵を最大限に享受しているにも関わらず、そのシステム自体を批判したり、格差のない社会や平等な社会を声高に叫んだりする姿が、偽善的、あるいは自己矛盾と捉えられるのです。

上念氏が動画で紹介した具体例を見てみましょう。
  • ウクライナ共産党(非合法)の党首:評論家ナザレンコ・アンドリー氏のSNS投稿によると、この党首の自宅は家宅捜索でその豪華さが露呈しました。湖畔に建つ大邸宅、高い吹き抜けと巨大なシャンデリアのあるホール、広々としたビデ付きのトイレなど、まさに「資本家顔負け」の生活ぶりです。「格差是正」を訴える共産党幹部の実態として、強烈な皮肉となっています。
  • 不破哲三氏(元日本共産党議長):元党幹部の筆坂秀世氏が週刊文春で証言した内容によると、不破氏の丹沢にある自宅敷地内には、夫妻の住む母屋の他に、使用人(コックや運転手)が寝起きするための別棟や、趣味である郷土人形コレクション(千体以上)を収めるための別棟が存在したとのこと。食事は党本部から派遣された一流ホテル出身のコックが担当していたという事実は、共産党が目指すはずの「平等な社会」の理念とはかけ離れているように見えます。
参考:ナザレンコアンドリー氏のポスト

これらの例は「高級フレンチを食べながら貧困問題を憂う」「大豪邸に住みながら環境問題を声高に叫ぶ」といった、主張と生活実態のズレが、「世田谷自然左翼」という言葉を生み出す背景にあると言えるでしょう。

もう一つの概念:「生活左翼」との違い

上念氏は「世田谷自然左翼」と区別される存在として「生活左翼」という言葉も使っています。

これは、自らの生活費を稼ぐために、メディアなど(特にテレビ)の意向に沿った左派的な言論活動を行う人々を指します。

両者の主な違いは以下の点です。
  • 経済基盤:「世田谷自然左翼」は元々裕福な基盤を持つことが多いのに対し、「生活左翼」は活動そのものが収入源であり、スポンサーの意向に左右されやすい。
  • 主張の過激さ:「世田谷自然左翼」は経済的制約が少ないため過激な主張も可能ですが、「生活左翼」は収入源を失うリスクから、一定の範囲内に主張を留める傾向がある。
上念氏は、「生活左翼」は補助金やメディアの既得権益に依存する「補助金乞食」のようなビジネスモデルであり、「権力に歯向かう俺かっこいい」という自己欺瞞で成り立っているのではないか、と厳しく批判しています。

まとめ:「世田谷自然左翼」が投げかけるもの

「世田谷自然左翼」という言葉は、単なるレッテル貼りや個人攻撃に終始するのではなく、現代社会における思想と行動の矛盾、特権意識、そして言論の信頼性といった問題を考える上での一つの視点を提供しています。

なぜ恵まれた人々が現状を批判するのか?

その主張は本心からのものなのか、それともファッションや自己正当化なのか?

私たちは、彼らの言葉だけでなく、その背景にある生活実態や矛盾にも目を向ける必要があるのかもしれません。

この言葉は、私たち自身が持つ価値観や社会の見方についても、改めて問い直すきっかけを与えてくれると言えるでしょう。

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