境界性人格障害者からの被害を防ぐための接し方

1 境界性人格障害とは何か
- 1.1 境界性人格障害の特徴と症状
2 境界性人格障害者から受ける被害の例
- 2.1 マインドコントロールやガスライティング
- 2.2 エモーショナル・アブーズや暴力
3 境界性人格障害者との接し方のコツ
4 まとめ

境界性人格障害とは何か

境界性人格障害の特徴と症状

境界性人格障害（BPD）は、感情が不安定で極端に変化しやすく、自己像や自尊心が低く、人間関係に困難を抱える精神疾患です。BPDの人は以下のような特徴や症状を示すことがあります

恐怖や怒りなどの感情が強くて制御できない
愛情や嫌悪などの感情が一方的に切り替わる（スプリッティング）
他人に対して過剰な期待や要求をする
他人に対して過剰な批判や否定をする
他人に対して過剰な依存や執着をする
他人に対して過剰な不信感や嫉妬心を持つ
他人に対して暴力的な言動や行動を起こす
自傷行為や自殺企図をする

境界性人格障害者から受ける被害の例

境界性人格障害者と関わると、以下のような被害に遭う可能性があります。

マインドコントロールやガスライティング

境界性人格障害者は自分の感情や欲求を満たすために、相手の心理や感情を操作することがあります。
これをマインドコントロールと呼びます。
マインドコントロールの方法には、相手に罪悪感や恐怖感を与える、相手の自信や判断力を低下させる、相手の記憶や現実感を歪めるなどがあります。
特に相手の記憶や現実感を歪めることをガスライティングと呼びます。

境界性人格障害者は自分が正しいと思うことを強く主張し、相手が違う意見や感情を持つと、それを否定したり攻撃したりします。
また自分が間違っていたり悪かったりすることを認めずに、相手に責任を転嫁したり言い訳したりします。
これらによって被害者は自分の感覚や判断に疑いを持ち始め、混乱や不安に陥ります。

エモーショナル・アブーズや暴力

境界性人格障害者は自分の感情がコントロールできないために、相手に対して暴言や暴力をふるうことがあります。
これをエモーショナル・アブーズ（感情的虐待）やフィジカル・アブーズ（身体的虐待）と呼びます。
エモーショナル・アブーズやフィジカル・アブーズの方法には、相手を罵倒したり脅迫したりする、相手の物や身体を壊したり傷つけたりする、相手の行動や交友関係を制限したり監視したりするなどがあります。

境界性人格障害者は自分が愛されていないと感じたり、相手に見捨てられそうだと思ったりすると、パニックに陥って暴力的になることがあります。
また自分が嫌われていると感じたり、相手に裏切られたと思ったりすると、怒りや憎しみで暴力的になることがあります。
被害者は恐怖や苦痛に耐えなければならず、心身の健康に悪影響を及ぼします。

境界性人格障害者との接し方のコツ

境界性人格障害者から被害を受けないためには、以下のような接し方のコツがあります。

境界を設定する

境界性人格障害者は自分と他人の境界が曖昧であるために、他人に対して過剰な期待や要求をすることがあります。
例えば自分の気持ちや考えを理解してもらおうとして無理強いしたり、自分の都合で連絡したり会ったりすることを強要したりします。
これらに応じてしまうと、境界性人格障害者はさらに依存心や執着心を強め被害者に負担をかけます。

そこで境界性人格障害者との関係を健全に保つためには、自分と相手の境界を明確に設定することが重要です。
境界を設定する方法には、以下のようなものがあります。

自分の感情や考えや価値観をはっきりと伝える
患者の感情や考えや価値観を尊重する
過剰な期待や要求には断る
暴力的な言動や行動には反応しない
連絡や会話や会合には時間や頻度や場所などのルールを決める
距離感や関係性には柔軟性を持つ

責任を分ける

境界性人格障害者は自分の感情や行動に対して責任を取らないことがあります。
例えば自分が不安や怒りなどのネガティブな感情を抱いたときに、それを相手のせいにしたり、相手に解決させようとしたりします。
また自分が暴力的な言動や行動を起こしたときに、それを正当化したり言い訳したりします。
これらによって被害者は自分が悪いと思い込んだり、自分が助けなければならないと思い込んだりします。

そこで境界性人格障害者から被害を受けないためには、あなたと患者の責任を分けることが大切です。
責任を分ける方法には、以下のようなものがあります。

あなたの感情や行動に対してはあなたで責任を取る
患者の感情や行動に対しては患者に責任を取らせる
患者が責任転嫁したり正当化したりしたら受け入れない
患者があなたに解決させようとしたら断る
患者が暴力的な言動や行動を起こしたら警察や支援機関などに通報する

責任を分けることで境界性人格障害者は自分の感情や行動に対して自覚や反省を持つことができるようになるかもしれません。

自分を大切にする

境界性人格障害者と関わると、相手の感情や行動に振り回されてしまい、自分の感情や行動を抑え込んでしまうことがあります。
例えば相手が不安や怒りなどのネガティブな感情を抱いたときに、それを和らげようとして自分の気持ちや考えを言わなかったり、相手が暴力的な言動や行動を起こしたときに、それを許そうとして自分の苦痛や悲しみを隠したりします。
これらによって、被害者は心身の健康を損なってしまいます。

そこで境界性人格障害者との関係を健全に保つためには、自分を大切にすることが必要です。
自分を大切にする方法には、以下のようなものがあります。

自分の感情や考えや価値観を大切にする
自分の苦痛や悲しみを認めて癒す
自分の欲求や目標や夢を大切にする
自分の趣味や好きなことを楽しむ
自分の心身の健康を保つ
自分の支えになる人とつながる

自分を大切にすることで、幸せや充実感を得ることができます。

まとめ

境界性パーソナリティ障害（境界性人格障害）は、感情のコントロールが困難で、人間関係に問題を起こしやすい精神疾患です。
境界性人格障害者と関わるとマインドコントロールやガスライティング、エモーショナル・アブーズや暴力などの被害に遭う可能性があります。
本記事では境界性人格障害者からの被害を減らすための接し方を紹介しました。
境界性人格障害者から被害を受けないためには、境界を設定する、責任を分ける、自分を大切にするというコツがあります。
これらのコツを実践することで、境界性人格障害者との関係を改善する事ができるかもしれません。