なぜ猫はビルの32階という高所から落下しても大丈夫なのか？

なおえもん

まいど、なおえもんやで

猫は生まれつき高いところが好きであったり、何らかの理由によって高所に登ってしまうことがあります。

猫は木の上などでは爪で掴んで助かることが多いですが、コンクリートや金属などはうまく掴むことができません。

もし、この様な高所から猫が転落した場合、どうなるのでしょう？

本記事ではその研究結果などを示したいと思います。

1 猫が高所から落ちても死亡に至りにくい理由
2 猫は高度によって着地方法を変える
3 猫は高所からの落下において空気抵抗を利用する
4 猫が落ちても大丈夫な高さは？
5 さいごに

猫が高所から落ちても死亡に至りにくい理由

ある日ニューヨークにあるビルの32階の窓から1匹のネコが転落しました。

獣医は欠けた歯や潰れた肺を治療した後、猫を2日後に家に帰しました。

ネコはよく高所から落ちますが、とても上手な降り方ができる様になっています。

例えば猫を逆さに落としても、ほとんどの場合は足から着地します。

猫は非常に柔軟な骨格を持ち、空中で体をねじって着地する能力があります。

この能力は物理学の角運動量保存という法則に基づいています。

猫は体の前半分と後半分を逆方向に回転させることで、回転しないまま落下することを避ける事ができるのです。

猫は高度によって着地方法を変える

しかし転落してしまった猫においては、必ずしも足から着地することが最善の策とは限りません。

32階から猫が落下した場合などがそうです。

どうやって猫は毎回完璧な着地をしているのか？

2階建てから32階建ての高さまで、落下した100匹の猫の事例を基に研究が行われました。

2階から落ちた猫の方が、6階から落ちた猫よりも怪我が少なかったのは当然の結果でしたが、興味深いのはここからです。

7階以上になると、猫はどれだけ高いところから落ちても、怪我の程度はほとんど変わらないのです。

どうしてなぜそんなことが可能なのでしょう？

それは、アクロバティックな動きをするかしないかにかかっています。

2階から7階までの高さから落ちた猫は、ほとんどが足から着地します。

しかし、それ以上の高さになると猫たちは別の方法を使っていました。

足をまっすぐ下に向けるのではなく、パラシュートのように広げていました。

そして、腹ばいになって着地するのです。

この方法は100％安全というわけではありません。

肺がつぶれたり、肋骨が折れたりといった胸部外傷は、この着地方法の方が多いのです。

猫は高所からの落下において空気抵抗を利用する

なぜ猫は死なない着地ができるのでしょうか？

それは「終端速度」という物理学的な現象が関係しています。

高所から落下した猫は最初に重力でどんどん落ちていきます。

その時、猫は時速100kmという一定の速度(終端速度)に達します。

この時、重力による加速度を空気の摩擦で打ち消す自由落下状態になります。

この時点で落下している猫は加速しません。

猫は2階から7階までの高さからの落下では、終端速度に達せず、空気摩擦や着地の準備をする時間がありません。

しかし終端速度に達した後では、手足を広げる事によって空気抵抗を生み出しパラシュートにする事ができるのです。

猫が落ちても大丈夫な高さは？

猫が落ちても怪我が少ない高さは2階から6階と書きましたが、これは怪我が少ないというだけであり、全く怪我をしないという訳ではありません。
火災現場から飛び降りる猫

この動画を見てもらえばわかりますが、5階から飛び降りただけでも着地においてはかなりのバウンドをしており、それなりに足や内臓にダメージを食らうと考えられます。

猫が無傷で着地できる高さには限界があります。

猫が落ちても大丈夫な高さは一般的には2.4メートルと言われています。

まぁ普通に考えて2.4Mというのは明らかに大丈夫な高さですから、猫が怪我をし始めるのは3～5M以上という事になります。

つまり猫が落下しても大丈夫な高さはおおよそ3Mであり、それ以下の高さから落ちても猫は怪我をしません。

猫は優れたバランス感覚と反射神経を持っており、比較的高い場所からでも落下するときに体を回転させて着地することができます。

猫が高所から落下した場合、その体の構造と反射能力によって、着地時の衝撃を最小限にすることができます。

ただしこれは一般的な目安であり、すべての場合に当てはまるわけではありません。

猫のサイズや年齢、体調などによっても異なる可能性があります。

高い場所からの落下はいかに猫が優れた反射能力を持っていても危険ですので、猫が高所にアクセスできないようにするか、安全な環境を提供することが重要です。

もし猫が高い場所から落下した場合や異常な挙動を見せる場合には、すぐに獣医師の診察を受けることをおすすめします。

さいごに

何百にも渡る様々な研究結果から総合して見てみると、猫はどんな高さから落下しても生存率は90％を超えています。

たとえそれが高層ビルであってもその程度の生存率でした。

しかし、胸部に何らかの外傷を負った猫の割合は90%でした。

これらの研究から分かることは、猫は驚くべき高さから落ちても死なない可能性が高いということです。

しかし、それは怪我をしないということではありません。

猫が高いところから落ちるときには、常に重大な危険にさらされているということは留意しておくべきでしょう。